忘れがたき故郷(葛尾村再び)

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先週、KDDIの復興庁CSRプロジェクト『かつらおムービーメーカーズキャンプ』で初めて訪れた葛尾村に、仕事抜きのプライベートで再訪してきました。今回は焚き火を囲んでのアットホームな集い。先週会ったばかりの葛尾村の方たちと満点の星空の下白い息を吐きながら心温まるひと時を過ごしてきました。

・・僕は自分のクリエイティブの現場で関わった人達の居るところにはすぐに制作抜きで再び訪れることを心がけていますが、今回はマッハでの再訪に「一週間でまた葛尾に来るなんて・・笑」と目を丸くして驚かれました 笑

焚き火を囲んでお酒抜きで語り合い、元合唱部だった小学校の先生の独唱で「故郷」を全員で聴き・・ととても心洗われるひと時を過ごす事が出来ました。

音楽の世界ではCDが売れないと言われて数年が経ってしまい、また再び音楽が売れるためにはどうすればいいのか?というような事を真剣に論じている人もいたり、その他の業種でも数少ない残りの椅子にいち早く座れた人が勝者・・というようなほとんど椅子取りゲームみたいな世の中になってしまっている面が最近の日本にはありますが、本来的な大人の責任というのはそういう少ない無い椅子を今よりも少しでも多く増やすことだったり、いつか帰ってきた人たちが安心して座れる椅子を一つでも多く作っておくことだったりするんだよな・・とふと思います。

そこで音楽の出来ることはやるべきだし、音楽を鍵として何かが繋がった時にはたとえ音楽以外の事だとしても自分の役割を全うすべきだと思います。

・・・こうして巡り合った葛尾村との関わりの中で自にいったい何が出来るのか、そんなことを考えながらさっき帰ってきました。

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葛尾という場所を介してこの縁を繋ぐ葛尾村の下枝さんと村の若手の皆さんに心からのエールを。
先週からの引き続き素晴らしい時間をありがとうございました。


KDDIの復興庁CSRプロジェクトで音楽を作りました

KDDI

KDDIのCSR事業(企業の社会的責任(きぎょうのしゃかいてきせきにん、英: corporate social responsibility、略称:CSR)で福島県の葛尾村のオウンドメディアを作るプロジェクトの制作合宿で葛尾村に行ってきました。

葛尾村は福島第一原子力発電所事故の影響で村内全域が警戒区域又は計画的避難区域に指定されていて一時期は全村民が村外に避難していましたが、帰還困難区域を除き2016年6月12日に避難指示が解除され現在は少しずつまた以前暮らしていた人達が自分たちの故郷へと戻ってきています。

この村の復興再生を担うべく立ち上げられた地元若手有志による団体、一般社団法人葛力創造舎の方たちとのネットでのやり取りを通じて僕も今回のプロジェクトに参加することになったのですが、葛尾村には初めて訪れるということもあり非常に楽しみにしていました。

今回はプロジェクトのスタートダッシュとして【かつらおムービーメーカーズキャンプ2017】というイベントが企画されて村のプロモーションを美術、芸術系の学生を中心とした若者に作ってもらおうという企画が立ち上がり僕はそのファシリテーションという役割でのオファーでした。KDDIのスタッフの方たちや地元の若者そして各地から集まったファシリテーターによるミーティング、リサーチ&ロケ・・そして編集、という非常に多忙なスケジュールを2日でこなすというまさに挑戦的な企画だったわけですが、結果的には1分半のプロモーション動画を全員で制作し無事ネットへとアップロードすることが出来ました。

音楽も僕が引き受けることになり当日現場で作曲し、動画内の音楽も完全にオリジナルのものになっています。

完成した動画はこちら

音楽のみはこちら(DAW Studio One リバーブ sanford reverb ピアノ&オーケストラ系の音源は付属のPresenceのみで作ってます)

今回は葛尾村の「自然」「暮らし」「挑戦」という3つのキーワードで各チームに分けてサンプルで3つの動画を作成し1日目にそのプレゼン、そして最終的にはそれを一つのムービーにまとめるという作業を次の日の関係者を集めた視聴会までに行わなければならないという非常にタイトなスケジュールでの制作で、最終的にはクリエーターが宿舎の一部屋に集合し全員で一丸となって深夜まで編集作業にあたり発表当日早朝の朝に動画が完成しました。

・・こういう会ったばかりのメンバーで難関を乗り越えていくということそのものが僕の大好きな事でもあるので色々な意味で実り多き2日間でした(笑)

そして今後も葛尾の挑戦は続いていく・・という事を踏まえて記念すべき最初の作品を見てもらえたらと思います。

葛尾村やKDDIの皆さん、そして今回出会ったクリエーターの皆さん、今回は本当にありがとうございました。
今回の縁を大切にし、そして今後更に大きくこの輪を広げて葛尾村の再生へと全員で力を合わせていければと思います。


アーカイヴズ(海と山の結婚式生ピアノデモ音源)

福島県でのアート作品の映像音楽『幻のレストラン〜西方街道・海と山の結婚式〜(主催:福島県 | アーツカウンシル東京 / 公益財団法人東京都歴史文化財団)』の作曲時のデモ音源が出てきたのでアップしてみます。

こういう映像に音楽を付ける仕事のフローというのは大体映像が先にあって(当たり前だけど)そこに映像の編集側で仮のイメージでフリーの音楽が付けられていることが多い。

ディレクターと話をしながら最終的な雰囲気や目指す所、作品のコンセプトなんかを理解しながらサンプルの音楽をミュートした状態で何度も何度も映像を見返して曲のイメージが湧いてきたら実際にピアノなり鍵盤なりを弾きながら映像に被せていく・・というのが自分なりの映像音楽の作り方なんだけど、映像ありきの作曲は秒数がきちんと決まっているものなのでエンディングまでの構成をきちんと練り込んで不自然じゃなく展開してきちんと決まった位置で収束する・・という流れを作るのが大変といえば大変なのかもしれない。・・この辺はコマーシャルを随分過去に作ったのでまぁ慣れているといえばなれてはいますが笑

こちらが映像を見ながら最初の段階でスケッチしたスマホで録音したピアノのデモ音源。

ここからブラッシュアップして最終的にあの映像の音楽になるまでには何回かディレクターとの音のやりとりがあったわけなんですが、その変化とか最初のデモの雰囲気がどれくらい活かされているのかを聴き比べながら見てみると面白いかもしれません。

自分で生ピアノを弾く時は手癖がどうしても出てくるけど、それをコンピューターに取り込んで微調整したりコラージュしていくとまた新しいイメージも加わるので最近は好きな作り方です。

コンピューターのピアノの音と生ピアノを混ぜたりするとちょっと不思議なテイストも加わって、どことなく2010年代のピアノの曲・・という感じにもなるんじゃないかな?と思います。

ピアノというのはある種ひとつの完成されたテクノロジーなんだけど、その演奏法や解釈をどう進化させていくかというのも一つの音楽の可能性な気がしてます。


アーカイヴズ

森のはこ舟アートプロジェクト サウンドインスタレーション primitive soundscape / 縄文の音の森 (文化庁 | 西会津教育委員会) 縄文の音風景をコンセプトとした、ワイヤレス・スピーカー8台と天井裏の隠しスピーカー2台、ipadをトリガーとしたシンセサイザーでそれらの音場をコントロールしてプリミティブな音楽を奏でることが出来るサウンドインスタレーション作品。  西会津で採取した自然のサウンド素材をコンピューターで加工し制作。それらの点音源の中を移動しながら様々な風景をイメージし鑑賞することが可能。

森のはこ舟アートプロジェクト サウンドインスタレーション primitive soundscape / 縄文の音の森 (文化庁 | 西会津教育委員会) 縄文の音風景をコンセプトとした、ワイヤレス・スピーカー8台と天井裏の隠しスピーカー2台、ipadをトリガーとしたシンセサイザーでそれらの音場をコントロールしてプリミティブな音楽を奏でることが出来るサウンドインスタレーション作品。 西会津で採取した自然のサウンド素材をコンピューターで加工し制作。それらの点音源の中を移動しながら様々な風景をイメージし鑑賞することが可能。

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「記憶の音」の使用機材とか

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photo by Ame Yanagi

蔵インスタレーション「記憶の音」(喜多方市文化芸術創造都市推進事業 市民プロジェクト)のコンテンツ内容や解説についてまだどこにも書いてなかったので、改めて記録しておきます。

今回のインスタレーションの内容は喜多方の街の音を録音しその音をコンピューターでコラージュして立体音響のサウンドアートとして展示するというもので仕事としては昨年primitive soundscape からの流れを組んでいますが、今回はもう少し色んな要素が絡んでいて音だけではなくて作品の美術の造形なども僕が手掛けています。

音に関しては喜多方の過去現在とこれからを3台のモニターでそれぞれ独立して流しそれを中央の椅子に座って聴く(体感する?)・・というアトラクション要素の強いものになりました。

実はスピーカーを設置する台は色々と考えたのですが、今回のコーディネーターでありディレクションをしてくれた五十嵐さんが「喜多方の木材を使っている樽はどうでしょう」と提案してくれてそれを使わせてもらいました。結果樽内部の共振が加わってとても面白い音場が作れました。

今回の使用機材

ソフトウェア

Ableton live
PreSonus Studio One
(シンセの柔らかい長音の波形、時折混ざるノイズ音などはCASIOの古い鍵盤のHT-3000で作りました。)

ハードウェア

オーディオ・インターフェース TASCAM iU2
アンプ KENWOOD KENWOOD R-SE7
リアスピーカー BOSE 101IT
フロントスピーカー SONYのアクティブタイプ

環境音の録音にはソニーのPCMレコーダーを借りて使いました。

それから喜多方の街の環境音ですが

落ち葉の転がる音
台所で食器を洗う音
電車の走る音
夏の蝉の鳴き声
秋風の音
雨だれが落ちる音
建設現場の重機の音
その他、色々・・

という感じで色々と使ってみました。中には録音した素材を逆回転させたりその場でエコーを足したりしているものもあり、一聴するとすぐには何の音か分からないものもあったと思います。

・・にも関わらず色んな方が耳を澄ませて音の風景の中にじっと佇んでくれて自分としてはこの仕事をしていて良かったなと感じる瞬間でもありました。

今回の音部分のみをSoundCloudにアップしておきましたので、それも一緒に貼っておきます。

実はこのSoundCloudのアートワークは今年僕が映像と音楽を手がけた作品『森の婚礼』で主役を演じた女性の方なんですが、彼女が前作の事も含め今回の作品についても色々とメールで感想を伝えて来てくれてクリエイター冥利に尽きるというかとても胸が熱くなる出来事でした。

今後も一つ一つの作品に真摯に、そして感謝を忘れずに謙虚に努力していきたいと思います。

実は来月、面白いお話を頂いてまたある作品に関わることになりました。
年内は制作漬けの日々になりそうですが、人との色んな出会いも含め楽しんでいこうと思っています。


最近の事を色々と書きます

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photo by Ame Yanagi

一か月くらいずーっと考えていたインスタレーションの展示も無事終了し(たのも束の間)新潟の新発田という所に行ってました。気分転換と色々見たいものもあったので車で一泊して晩秋の旅を満喫してきました。

昨日は(平成29年11月12日)福島県の田村市へ生命誌研究者の中村桂子さんの講演と森のはこ舟アートプロジェクトで色々とお世話になった民俗学者の赤坂憲雄先生や元福島県知事の佐藤栄佐久さんが登壇されるシンポジウムへと行ってきました。

最近音楽やアートを通じて色々な人と知り合って学びたいことや知りたいことが増えていき、それが作品を作ることとほぼイコールなので本当に自分の時間の使い方や行動を見直すことも多くなってます。

相変わらず音楽業界で『エッジィなクリエイター』として見られたいというような願望はまったくないのですが(笑)まだまだ自分の知らない事や世界を音楽を作ることを通じて知り吸収していけたらと強く思っています。

写真は先日のインスタレーション後のフォーラムの様子。筑波大学や法政大学のゼミの学生の子たちや教授、地元の方々と様々な課題について言葉を交わし深く交流をさせてもらいました。

フォーラム終了後の食事会の料理もとても美味しかったです。

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ここ数日、先日のインスタレーションを展示したイベントの様子が色んなメディアや新聞で取り上げられています。催し自体のコンセプトがきちんとこうして伝わっているのとそこに少しは自分の作品も役に立てたような気がして、とてもホッとしてます


蔵インスタレーション「記憶の音」4

バイノーラル録音していたリハーサルの映像と音をVimeoにアップしてます。実際は立体音響で作っているのでステレオにすると全然違うものになってしまうのですが、まぁ雰囲気だけ。

今回、カメラマンの方やFM局の方が特に興味を持って長く体験してくれて
それぞれに色んな意見を言ってもらえてそれがとても興味深い内容で良かったです。

カメラマンの方とは「MP3化した音はそれをCDに焼いて聴くと何故か感動しない平坦な音になる」と言っていて圧縮音源のレゾリューションについて随分長くブースで話し込んでた。

FM局の方は「喜多方の街中の音で今と昔の変化が印象的なのはカエルの鳴き声が以前は街のどこにいても聴こえてきていた・・」と言っていて時間の経過と共に何気ない生活環境音も随分と変化してきていることを語っていたのが印象的でした。